師走の気ぜわしさと本格的な冬の到来が感じられる折、お元気にされていますでしょうか。 この度は年末年始にかけて「ハイアットリージェンシー京都」にあります「セレクトショップ京」におきまして、千利休が設計した茶室「待庵」を修復した際に出る古材を用いた茶箱展に僭越ながら出品することとなりました。茶の湯には相変わらず不勉強な私ではありますが、現代美術・工芸の方面において活躍する作家に協力を仰ぎ、良い茶箱組が出来上がりましたので、ぜひご高覧頂けましたら幸いです。 皆様におかれましては、お体にはくれぐれもお気をつけ下さいまして、無事に新しい年をお迎えになりますよう心より願っております。
「 妙 喜 庵 待 庵 古 材 茶 箱 展 」
千利休作と伝えられる唯一確かな茶室である「待庵」 数年ごとの普請の際に出る古材を使って作られた茶箱に、さまざまな立場で日本文化にたずさわってきた“20”の方々が、「妙喜庵待庵」そして「千利休」に思いを馳せ、ひとつしかないオリジナルの茶箱を制作しました。 20個の茶箱の設えを楽しみながら、400年以上経った現在においてもなお、多くの人々を惹きつけて止まない「妙喜庵待庵」「千利休」の魅力を感じてみて下さい。 > > 「セレクトショップ 京」ホームページ展示会情報 戦国時代に有力大名が覇権を争いながらも一方では、数寄大名として盛んにお茶を勉強し、名物と呼ばれる道具を買い集め、さながら戦と美の競争に彩られた華やかな時代であったろうと想像致します。 翻って現代、私達の生きる時代には武力よりも文化・経済・宗教といった覇権争いが世界のあちこちで繰り広げられています。 私達の行く末には様々な困難や障壁が立ちはだかりますが、既に帯刀を許された武士はこの世からいなくなり、替わりに身につけているのは携帯電話・・・ 日本を代表する文化の根底にある、ポータブルで小振りな物、言い換えれば「掌底の宇宙」とも呼ばれる掌(たなごころ)の中の美。 グローバルと称する西洋文化の押し付けに圧迫され続けて来た日本において、今こそ携えるべきものとは、何処にさすらおうとも決して自分を失わず、野点を楽しむがごとく心の余裕ではないでしょうか。 携帯電話より、抹茶碗を。 ストラップより茶杓を。 そんな面白き世を妄想しながら、現代に活躍する若き精鋭達が腕をふるって作り上げた道具を揃えました。 あくまで簡易な道具立てです。 その他必要と思われるものは、どうぞご自身でお見立て下さい。 願わくば、この茶箱と道具がこの世の中でおおいに使われ、やがて未来に名物として語られん事を。
この茶箱組「Aセット」はカタログ掲載・店頭展示用であり、販売も致しております。 それぞれの道具には「Bセット」として同作家の別作品のご用意があります(前川多仁のみ同品のスペア)。 展示即売の可能性も有りますので、実際に店頭でご覧頂く際には「Bセット」の場合もございます。予めご了承下さい。 |