「 あ り ふ れ た 景 色 」
“all-too-common view”

西 郡 友 典(写真) × 稲 富 淳 輔(陶) 二 人 展

NISHIGORI Tomonori (photograph) & INATOMI Junsuke (celamic art) exhibition

白白庵での今年最後の企画展は、一見すると何処にでもある風景を写した写真と、素朴な味わいの陶器の二人展。
しかし、その写真に写されている真実を知る時、「ありふれた景色」は鑑賞者の前で印象を一変するでしょう。
昨年の同時期に忠田愛との夫婦展を開催し大好評を博した、稲富淳輔の生み出す「うつわ」が添えられる時、私達はこの光景に何を見出すでしょうか。



[会 期]
2 0 1 4 年 1 1 月 2 2 日 ( 土 ) - 1 2 月 7 日 ( 日 ) ※会期中、木曜定休
[会 場] 白白庵(3階企画展示室)

 写真集「途切れ時間の夢」「青い空の日に」を上梓する写真家・西郡 友典は、何気ない光景のスナップでありながらスクエアの画面に奥行きと広がりを感じさせる構図で静かな印象を留める事で評価されている。彼の出生地である福島を襲った災害は今なお大きく爪痕を残す中、日頃暮らす東京から折々で帰省する際に撮った写真には、一見するとどこにでもありそうな景色であり、しかしながら「今この瞬間に、確かにFUKUSHIMAに存在する景色」が存在する。
 他方、滋賀県在住の陶芸作家・稲富 淳輔は、私達人間のみならず生きとし生けるものを「うつわ」と言う概念に響き合わせ、かつては用途の無い瓶の形状のオブジェ、近年は次第に実用性を帯びた「器」を作る事で表現している。彼は「うつわ」を陶芸だけでなくオイルパステルなどを用いて「絵画」でも表す点でユニークである。平面的にも立体的にも展開される抽象的な「うつわ」は、素朴な質感と確かな重みをもって、さりげなく私達の生活に寄り添う。
 西郡の映し出す、演出を削ぎ落したありのままの光景としての福島の今の日常的な景色と、稲富が土を焼き・削り、何工程も経て表現するシンプルな存在としての「うつわ」。それぞれが自然と人為の結果であり、私達が生きる時代の産物である。

自然と人間、私達と世界。
「ありふれた景色」とは、実は全くありふれていない、今この一瞬の事実である。

【企画・しつらえ】
 石橋圭吾(白白庵)



西郡 友典 稲富 淳輔



『 日 日 茶 会 (にちにちちゃかい) 』 (茶人・馬場宗由)

今展覧会のハイライトとして、「ありふれた景色」のしつらえの下、稲富淳輔のうつわを茶道具に見立てて茶会を開催。作家両名が在廊致します。白白庵ですっかりお馴染みの茶人・馬場宗由のお手製和菓子や創意をお楽しみ下さい。日頃お茶に親しまれていない方にも安心の、カジュアルなテーブル式の茶会です。お誘い合わせの上で気軽にお集り下さい。

● 開催  11/23(日) 13時 / 15時 / 17時
○ 料金  1,620円(込)

各回定員6名、 所要時間60分程度。

お問い合わせ info@pakupakuan.jp (担当:石橋)






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